外来担当表

午前 遠藤 福井(康) 朝本
(手術日)
福井(康)
朝本
遠藤
小島
午後 遠藤 福井(康) 朝本 小島 福井(康)
朝本
遠藤
小島
石川※1
診療受付時間
午前9:00~11:50/午後13:30~16:30
※1  第1,3

牧田総合病院 脊椎脊髄センターの御案内

わが国では脊椎・脊髄疾患に対する治療は伝統的に骨・関節疾患を扱う整形外科医によって行われてきた歴史があります。一方、欧米では古くから脳神経外科医が携わっており、近年は『神経外科医(Neurosurgeon)』の立場から脊椎脊髄疾患全般にわたり取り組むようになってきましたが、両者の間で診断や治療法が異なり、時として無用な混乱が生じている面があります。
2005年4月、朝本と福井がこれらの問題点を根本的に解決し脳神経外科医と整形外科医がお互いの垣根を取り払い、ひとつのチームとして診療にあたる脊椎脊髄センターを国際医療福祉大学三田病院で立ち上げました。2017年10月、その二人が牧田総合病院で再び、脊椎脊髄センターを開設しましたので、脊椎脊髄疾患でお悩みの患者さんは是非、当センターをご利用ください。よろしくお願いいたします。

対象疾患

  • 頚椎
    頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、後縦靱帯骨化症
  • 胸椎
    黄色靱帯骨化症、後縦靱帯骨化症
  • 腰椎
    腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、分離症
  • 腫瘍
    脊椎腫瘍、脊髄腫瘍
  • 血管
    脊髄動静脈奇形、血管障害
  • 外傷
    脊椎圧迫骨折、脊椎破裂骨折、脊椎脱臼骨折

全ての脊椎脊髄疾患を対象としておりますので、是非、当センターをご利用ください。

手術実績

治療方針について

その手術、本当に必要ですか?

物事は何でも相手目線で考えることが重要です。外科医は得てして『手術して治す』という傾向に陥りがちですが、自分が患者なら痛い思いをして切られるのは嫌ですし、出来ることなら手術は避けたいと考えるはずです。従って、手術は治療法の中で最終手段と考えるべきで、まずは身体に負担の少ない保存療法が基本となります。身体にメスを入れることは医療行為ではありますが基本的に傷害行為である、という認識を外科医こそ持つことが大事と思います。鍼や指圧などの東洋的治療も症状が緩和するのであれば試して良い治療法と考えます。事実、脊椎外科医である自分も長時間に及ぶ手術執刀後は身体の疲れを癒やすためにマッサージに通っています。
一方、馬尾型障害※(ばびがたしょうがい、と読みます)の場合は手術しないリスク、すなわち神経の重度圧迫状態を長期間放置すると筋力低下や排尿障害などの神経麻痺が生じるリスクがあります。一旦、神経麻痺が生じると手術しても治りにくくなるため、漫然と保存療法を続けることは避けるべきで適切な時期に手術を検討する必要があります。

従って、最も重要なことは『治療』ではなく『診断』です。

なぜ痛いのか、歩けないのか、その原因をきちんと突き止めることが重要であり、そもそも保存療法を含めて治療が必要な状態なのか、を検討することが大事です。
最も低侵襲な治療とは肥満や運動不足を是正し、禁煙を励行して生活習慣の改善を図り、精神的にもpositiveに考えるように努め、自分自身の治癒力で治すことです。その上で症状が改善せず、かつ、保存療法でも効果が得られない場合に、はじめて手術の必要性に関して検討するべきと考えます。

※脊柱管内の神経の束を「馬尾神経」といい、脊柱管が狭くなることによって馬尾神経全体が強く圧迫を受ける障害

低侵襲手術とは

近年、内視鏡や顕微鏡を使用した低侵襲手術が提唱され、身体に負担の少ない手術法が開発されております。当院では外視鏡(顕微鏡画像をモニターで見ながら手術する最新型機械)を利用して、皮膚切開も小さく出血量も少量で済む低侵襲手術を施行しています。
一方、手術の侵襲には『手術時間』と『手術回数』という重要な因子があります。脊椎の手術は全身麻酔のもと、腹臥位(うつ伏せの状態)で行うため、長時間の手術は身体に与える影響が大きくなります。特に内科合併症の多い高齢者では大きな問題となります。やはり出来るだけ短時間で的確に手術を終了させることが重要と考えます。
手術回数に関しても同様に一回の手術で確実に病態を治すことが大事で、多数回手術は極力避けるべきです。
従って、低侵襲手術とは単に皮膚切開の大小や入院期間の長短で判断することではなく総合的に評価するべきであり、基本的には一回の手術で確実に治すことが最も低侵襲な手術であると考えます。

手術して治すのではなく、治る患者さんを手術する

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄はレントゲンやMRI画像での所見であり、誰でも確認できる客観的所見です。一方、痛みやしびれなどの症状はあくまで患者さん自身が感じる自覚的感覚であり、客観性はありません。
外科医は前述したように『手術して治す』という感覚に陥りがちです。確かに手術すればヘルニアは摘出され、脊柱管の狭窄状態は消失します。しかし、患者さんはヘルニアの摘出や狭窄の改善を希望して手術を受けているわけではありません。あくまで自分自身の症状である痛みやしびれを治してもらいたいから痛くて恐い手術を我慢して受けているのです。従って、手術して治すには椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛みの原因になっている、すなわち画像所見と症状が因果関係になっている必要があります。

これを確認するにはまず患者さん自身を詳しく診察することが必要です。痛みの原因として内科疾患は関係していないか、糖尿病による神経障害はないか、血流には問題ないか、そして家族背景や労働環境含めたストレスは影響していないか、などを詳細に検討する必要があります。最終的には硬膜外ブロックや神経根ブロックにより病変部に麻酔剤を注射して症状が緩和するのか、を細かく確認する必要があります。
因果関係になっていれば的確な手技により手術を行って病態を改善すれば必ず症状は消失もしくは緩和するはずです。これこそが『治る患者さんを手術する』という意味です。

人間の脳は強いストレスを感じると、その苦しみから注意をそらすかのようにからだのどこかに痛みを感じることがあります。日常生活の悩みや腰痛の苦しみが周囲に理解されないことなど、さまざまな心因性のストレスが痛みを増強させている場合があるのです。もちろん、身体に何も悪いところがないのにストレスだけが原因で腰痛や坐骨神経痛になる方は稀で、多くの場合、腰痛や坐骨神経痛を引き起こす何らかの身体的な要因を持っており、さらに心因的要因が重なり合っているのです。

患者さんの中には詳細な診察と説明を受けて痛みの原因が分かったことで安心され、それだけで痛みがずいぶんと楽になるという方がいらっしゃいます。やはり、最も低侵襲な治療とは切らないで治す、すなわち患者自身の治癒力で治すことなのです。

牧田総合病院の脊椎脊髄センターでは患者さんを丁寧に診察して、正しい診断と適切な治療を提供することを基本方針としておりますので、脊椎脊髄疾患でお悩みの方は是非、受診にいらしてください。よろしくお願いいたします。

外視鏡下手術(Exoscopic Surgery)について

近年、様々な方式の低侵襲手術が開発されていますが、当院では外視鏡下手術(Exoscopic surgery)を施行しております。外視鏡(がいしきょう)とはあまり聞き慣れない言葉ですが、顕微鏡画面を精細なモニターで確認して手術する最新の手術機器で、まだ、世界で20台程度しか稼働していませんが(2020年4月現在)当院ではその外視鏡を利用して脊椎脊髄手術を施行しています。 外視鏡下手術は小さい皮膚切開で出血量も微量で済み、患者さんの負担を最小限に抑えることができます。特に椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍および脊髄血管障害などの疾患に威力を発揮しています。

脊柱変形に対する手術的加療

脊柱変形は小児期側弯症と成人期脊柱変形に分けられますが、小児期にみられる脊柱変形で最も頻度の高いものは思春期特発性側弯症です。側弯症は成長の最も盛んな時期に進行すると考えられておりますが、側弯の角度が25度を超えるとさらに曲がる可能性があるため、まずは装具治療を行います。側弯の角度が45度を超えると成人期以降も曲がりは進行する傾向にあり、高度に進行した場合には心肺機能への障害も危惧されるため、手術療法の適応となります。学校の側弯症検診で側弯症を指摘された場合やご家族に背中が曲がっていると指摘された場合には早期に側弯症について深い知見を有する医師(石川雅之医師)の診察を受けることが重症化を防ぐ上で重要と考えます。
一方、成人期脊柱変形で代表的なものは変性側弯症や後弯症です。症状が重度になると著しい腰痛や坐骨神経痛のため、歩行が困難になります。後弯変形では胸やけなどの上部消化管症状を呈することもあります。高齢者に多いため、『歳のせい』とあきらめてしまっている場合が多いのですが、当院では基本的に元気で重篤な持病をお持ちでない方であれば年齢に関係なく手術は可能と考えておりますので、是非、一度専門家の意見を聞きにいらしてください。

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