当センターの概要

 当院では、狭心症(心臓を栄養する冠動脈が狭くなった病気)の患者さんに対して2023年より心臓カテーテル検査、治療を行ってまいりました。
 2025年4月より、日本心血管インターベンション治療学会専門医でカテーテル治療に対して経験豊富な櫻井医師が着任し、心血管センターを立ち上げました。今後は、より積極的に心臓の血管(狭心症、心筋梗塞、無症候性心筋虚血)や下肢の血管(下肢閉塞性動脈硬化症)に対するカテーテル治療を行っていく方針であり、これまで以上に地域の先生方と連携しながら、この地域の医療に貢献できればと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 これらの病気はともに動脈硬化が原因で発症する病気です。高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロール値が高い状態)、喫煙、肥満、加齢、家族歴、ストレスといったリスクを持っていると発症しやすいと言われています。

心臓(狭心症)であれば、階段を上がったり、重いものを持ったり、運動をしたり、心理的なストレスを受けた時に、胸に痛みや圧迫感を覚えます。

下肢(閉塞性動脈硬化症)であれば、少し歩くと足が痛くなり、少し休むとまた歩けるといった症状(間歇性跛行)が現れます。このような症状を認める方や動脈硬化リスクを複数抱えていてご心配な方は、診察にいらしてください。

対象疾患

  • 心臓

狭心症
心筋梗塞

  • 下肢

閉塞性動脈硬化症

心臓の血管に対するカテーテル治療(経皮的冠動脈形成術(PCI))  

 手首の動脈(橈骨動脈)や足の付け根の動脈(大腿動脈)から局所麻酔下にカテーテルを挿入し、心臓の血管(冠動脈)にカテーテルを進めます。その後にガイドワイヤーを狭くなった血管に通過させ、狭くなった場所をバルーン(風船)やステント(金属のチューブ)で拡張します。時に血管が動脈硬化で石のように固くなり(石灰化)、バルーンで拡張ができない場合はロータブレーターやダイヤモンドバックといったドリルのような治療器具を使って、石灰化を削り取ります。
 当院では低侵襲でのカテーテル治療を目指しており、待機的PCIでは、大きな合併症がなければ、術後1~2日で退院が可能です。

下肢血管に対するカテーテル治療(末梢血管治療(EVT))

 足の付け根の動脈(大腿動脈)や腕の動脈(橈骨動脈、肘動脈)から局所麻酔下にカテーテルを挿入し、下肢の血管にカテーテルを進めます。その後にガイドワイヤーを狭くなった血管に通過させ、狭くなった場所をバルーン(風船)やステント(金属のチューブ)で拡張します。カテーテル治療の長所は局所麻酔で行われ、傷口も小さく、侵襲が小さいことです。従って、短期間の入院での治療が可能です。

急性心筋梗塞(右冠動脈完全閉塞)
    カテーテル治療前         カテーテル治療中         カテーテル治療後