ブログ 大森牧田クリニック

9月に入り、少しずつ秋の気配が感じられるようになってきました。
秋といえば「食欲の秋」「スポーツの秋」。野菜や魚、果物が旬を迎えておいしくなる季節であり、また涼しくなることで体を動かしやすくなる時期でもあります。

健診などで「血糖値が少し高めかな」と気になっている方は、この季節をきっかけに食生活の見直しや運動習慣づくりを始めてみるのがおすすめです。
血糖値の高い状態が続くと糖尿病に進展するリスクが高まり、さらに糖尿病は血管を老化させ、動脈硬化や合併症を引き起こし、心臓病や脳卒中の原因となります。

糖尿病を予防・改善するためには、規則正しい食生活と適度な運動が欠かせません。ここでは、日常生活に取り入れやすいポイントをご紹介します。

食生活で気をつけたいこと

1. 食べ方の工夫

  • 毎日三食をバランスよく、適量とる
  • 夕食は控えめに。寝るまでに消費できず、脂肪に変わりやすいため
  • 野菜は毎食しっかりと。小皿5皿分が目安
  • 揚げ物や炒め物など油を多く使う料理は1日1〜2品まで
  • 油を使う料理は活動量の多い昼食にとるのがおすすめ
  • 主菜(魚・肉・卵・大豆製品など)は日ごとにバランスよく
  • 食べ過ぎた翌日は控えめにし、1週間単位で調整する

2. 空腹感を抑える工夫

  • 「ながら食べ」は食べ過ぎの原因。食事は味わいながらゆっくりと
  • よく噛むことで満腹感を得やすい
  • 野菜を先に食べると胃でふくらみ、満腹感を感じやすい
  • 一度に大量に食べると血糖値が急上昇し、その後の空腹感を強めるので注意
  • 夕食が遅くなる日は、主食(おにぎりなど)を先に食べ、帰宅後は軽めのおかずで調整

運動のポイント

血糖値を下げるには、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが効果的です。これらの運動は食後の血糖上昇を抑え、血液中の中性脂肪を減らすことにもつながります。
運動前にはストレッチや準備体操をしっかり行い、軽めから始めて徐々に強度を上げていきましょう。

1. 有酸素運動

  • 運動不足の方は、今より1日1,000歩多く歩くことからスタート
  • 歩数を1,000歩増やすごとに、糖尿病発症リスクを約3%減らせるといわれています
  • 慣れてきたら、日常の歩行も含め1日1万歩を目標に

2. 筋力トレーニング

  • 足・腰・背中など大きな筋肉を中心に鍛えるのが効果的
  • 特におすすめは、負荷をかけて繰り返す「レジスタンス運動」
  • スクワット・腕立て伏せ・ダンベル運動など、自宅で取り入れやすいものから始めましょう

3. 運動の頻度とタイミング

  • 有酸素運動:週3日以上、できれば毎日
  • 筋力トレーニング:週2〜3回
  • 運動は1週間で合計150分以上が目安
  • 特に食後1〜2時間に行うと血糖値の改善に効果的です

規則正しい食生活と適度な運動を続けることが、糖尿病予防の第一歩です。無理せず、できることから少しずつ取り入れてみましょう。
「自分に合った運動や食事が知りたい」「糖尿病予備軍かもしれない」と不安な方は、ぜひ医療機関へご相談ください。

当クリニックでも生活習慣病の治療・サポートを行っております。お気軽にご相談ください。

大森牧田クリニック 広報委員 S